付和雷同

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付和雷同

僕は何も見えない。僕の世界はまったく暗い。なのに、みんなと同じ、高校の1年生だ。同級生の顔を知らないが、声が聞いたらあいつらはっかり分ける。でも声だけ知ってる。僕は部外者だ。 授業中、僕は手伝う人、田中先生がいる。彼女は僕の目みたいだ。ありがたいが、みんなに変な状況だから、僕を近づいてない。それは僕の考え方だけど、多分ほかの理由もある。 白杖があるから、授業以外、田中先生がいらない。学校内の好きな場所は絶対屋上だ。ここは色々な面白い話を聞いちゃった。人は僕を見えるかどうか分からない。僕はいるなのに、ただ無視された。告白とか喧嘩とか秘密とか。 今日はだれもいないみたい。風邪の声だけ聞こえる。待って、本のページをめくる音も聞こえる。読む人か?勉強する人か?急に泣き声も聞こえる。前にここも泣いてる人が聞いたんだけど、それはちょっと違う感じだった。 とりあえずビルの中に戻りたかったが、泣いた人は話をかけた。 「あ、中川さん。ごめんね、恥ずかしいところを見せちゃった。」と言った。さわやかな声だった。 「気にしないで、小山さん。僕はどうせ何も見えないから。」
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