会いに来ない王子

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 次は何をしようかな……  まず、どこに何があるか知っておくのも重要な事だよね。  結婚してすぐにここに戻ってくる予定だし。というか、この状況だと破談になるんじゃないかしら?相手は私に1度も会いに来ないんだから。手紙すら無いし。  それならさっさとお払い箱にしてくれていいのに。  破局もいつでも大歓迎よ!  よく考えれば、今だって別居状態なわけだよね?それで毎日ヒマしてるんだから、『楽しく暮らす』なら、やりたい事とか可能性とか、そういうのを見つけなきゃ駄目よね。  何か出来る事…っていってもね……。 「う~ん」  ドンッ 「わっ!?」  悩んでたら、誰かとおもいっきりぶつかって、しりもちをついてしまった。 「――っ痛……、ごめんなさ……あれ?」  私にぶつかった人は、どこにもいなかった。 「あ~あ、姉ちゃんやられちまったなぁ」 「え?」 「荷物、かっさらわれたぜ。この辺にはガキの窃盗団がいるから、気を付けたほうがいい」  子供の窃盗団…… 「それは、私が事件に巻き込まれた…という事かしら……」 「まぁ、被害者ではあるな」 「……」 「厄介事を避けたいなら、あまり大量に荷物抱えて歩かない事をおすすめするぜ」 「ここ、治安はよくないの?」 「いや、何処の街でもこれくらいはあるさ」  そっか、私がぼさっとして歩いてたから、隙だらけだったのね。  これからは、自分の身は自分で守らないとっ!  こんな事に巻き込まれても『怖い』って思わない私は、図太いというか強い!  服は盗まれちゃったし、もう1度を買いに行かなきゃね。今日はそれで帰ろう……。  スカートとブラウス、この2枚を買って帰る。これなら荷物はかさばらないし、大丈夫だよね。  次は窃盗団に狙われないようにしないと!  邸に帰ったら、私がいなかった事に誰か気がついているかと思ったら、誰にも気がつかれていなかった……  もしかして気がついてて、放置されてたのかしら?  私、この国に味方がいないのかもしれないわ。  ま、別に構わないけどね。
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