2843人が本棚に入れています
本棚に追加
次は何をしようかな……
まず、どこに何があるか知っておくのも重要な事だよね。
結婚してすぐにここに戻ってくる予定だし。というか、この状況だと破談になるんじゃないかしら?相手は私に1度も会いに来ないんだから。手紙すら無いし。
それならさっさとお払い箱にしてくれていいのに。
破局もいつでも大歓迎よ!
よく考えれば、今だって別居状態なわけだよね?それで毎日ヒマしてるんだから、『楽しく暮らす』なら、やりたい事とか可能性とか、そういうのを見つけなきゃ駄目よね。
何か出来る事…っていってもね……。
「う~ん」
ドンッ
「わっ!?」
悩んでたら、誰かとおもいっきりぶつかって、しりもちをついてしまった。
「――っ痛……、ごめんなさ……あれ?」
私にぶつかった人は、どこにもいなかった。
「あ~あ、姉ちゃんやられちまったなぁ」
「え?」
「荷物、かっさらわれたぜ。この辺にはガキの窃盗団がいるから、気を付けたほうがいい」
子供の窃盗団……
「それは、私が事件に巻き込まれた…という事かしら……」
「まぁ、被害者ではあるな」
「……」
「厄介事を避けたいなら、あまり大量に荷物抱えて歩かない事をおすすめするぜ」
「ここ、治安はよくないの?」
「いや、何処の街でもこれくらいはあるさ」
そっか、私がぼさっとして歩いてたから、隙だらけだったのね。
これからは、自分の身は自分で守らないとっ!
こんな事に巻き込まれても『怖い』って思わない私は、図太いというか強い!
服は盗まれちゃったし、もう1度を買いに行かなきゃね。今日はそれで帰ろう……。
スカートとブラウス、この2枚を買って帰る。これなら荷物はかさばらないし、大丈夫だよね。
次は窃盗団に狙われないようにしないと!
邸に帰ったら、私がいなかった事に誰か気がついているかと思ったら、誰にも気がつかれていなかった……
もしかして気がついてて、放置されてたのかしら?
私、この国に味方がいないのかもしれないわ。
ま、別に構わないけどね。
最初のコメントを投稿しよう!