1.あの雨の日

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1.あの雨の日

ザーザー... 今日は生憎の雨、しかも土砂降り 俺、月島真冬(つきしままふゆ)は"雨"が嫌いだ。そして"受験"はもっと嫌いだ。 今は大学のセンター試験を受けるため、会場へと向かうバスに揺られているところである       車内は湿気でムシムシしてるし濡れているし、、、とにかく最悪だ。 自分と同じように制服を着て、参考書を真剣に見ている人が沢山いる      いま必死に勉強したって意味ないだろ、、なんて思いながら俺もスマホにインストールしたアプリで過去問を必死に見ている。 「次は~〇〇大学前~」 アナウスにより目的地のバス停着いたことがわかり、乗り過ごしてしまいたいという気持ちを押し殺してバスを降りる 参考書と筆箱くらいしか入っていないリュックがやけに重く感じた あーあ。世界終わってくれないかな。 そんなことを考えながら、向かい側にある大学兼試験会場をみる           何のために俺は勉強してきたのか、やりたいことがあるかと聞かれたら特にない     とりあえず"将来のために"なんて言って大学にはいる たいして興味のない内容を無理矢理頭に詰め込んで、、バカらしくなってくるよな。 そんな言葉ばかり並べながら青になった信号を確認して渡ろうとしたとき…    キィイイイイイイイイーーーーッ‼︎‼︎ 車のブレーキ音が大きく聞こえて横を見たときにはもう車と数センチほどの距離にいた ああ、俺死ぬんだ  世界終わらないかな、なんて冗談で言ったら自分の人生が終わったわ。 でも、まぁいいか 特に思い残したことはないし、、。 そう考えながらゆっくりと真冬は目を閉じたのだった 雨の音がやけに大きく響いていた______...
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