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その声に身を任せるようにそっと強張りを解くと、佑成さんはゆっくりと内壁を擦る。あたしの目を見ながら指を動かすから「……見ないで」と訴えたけれど、「やだ」とすぐに言い返された。
だけど、佑成さんはとにかく優しかった。だらしない音が聞こえるほど感じているのに「気持ちいい?」と何度も訊いてくるし、あたしがより声を漏らした部分を捉えると、「ここがいいのね」なんて執拗に撫で上げてきた。
「あっ、なんかダメ、きちゃう、」
だから、あたしは初めて指だけで頂点に達してしまい、これから佑成さんと繋がるのに既に体力は擦れ擦れのところまで落ちた。
肩で息をするあたしを佑成さんはクツクツと笑った。恥ずかしくて堪らないのに脚を閉じることもできず、佑成さんの影に覆われるしかない。
既にあたしの身体を包む衣類はなかった。佑成さんは「上手にイけたね」なんて子どもを褒めるようにあたしの頬を撫でる。
「……ゆう、せさんの指、気持ちいい」
「好き?」
「す、好き……」
キュ、と佑成さんの腕を掴む。恍惚と佑成さんを見つめてしまうのは、早く佑成さんが欲しくて堪らないからだ。
あたしも佑成さんを愛したかった。もっと深いところで繋がりたかった。言葉だけでは言い表せない愛おしさをたくさん伝えたかった。
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