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「ゆう、せ、さん」
傷もない綺麗な胸に手を這わせると、ドクンドクンと力強い心臓の音が手のひらに届いた。湿った肌を撫でてみると、「触り方やらしい」と佑成さんがあたしの手を取ってシーツに縫い付ける。
近付いた顔があたしに劣情を抱かせる。好き、と流れるように口から出た言葉に佑成さんは「もういい?」とあたしのお腹を撫でた。
「朔ん中入っていい?」
「……ゆ、佑成さんも脱ぐんですか?」
「脱がねえと無理よ」
「……じゃあ、脱いでください」
言ってすぐに目を強く瞑る。佑成さんがおかしそうに微笑んで、クシャクシャと髪を撫でてきた。
顔を両手で覆って完全に視界を遮断すると、バサ、と服が落ちる音がする。それだけで心臓が破裂しそうになるのはあたしが破廉恥すぎるのだろうか。
「朔、」
「……は、はい」
名前を呼ばれて顔を上げる。佑成さんの首より下を見ないように食い入るように顔面だけを見据える。
その必死さが伝わってしまったのか、佑成さんはフっと吹き出した。
「そんなに見たくねーの?」
「……見たら鼻血が出ると思うからです」
「変態だな」
「……」
「まあ、好きな時に見なよ」
好きな時に見れるものではないだろうと冷静にツッコむほどの余裕はなく、「分かりました」と相槌を打ってしまう。
優しく微笑んだ佑成さんが「ん」とあたしに唇を寄せる。目を閉じれば柔らかなそれに口を塞がれる。
佑成さんの熱が触れる。ゆっくりと入り口を押し開かれる挿入の圧迫感。痛いわけではないのに目尻に涙が浮かぶ。
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