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ベッドの端でぐちゃぐちゃになっているブランケットを見つけて手繰り寄せていると、佑成さんは再びベッドに上がってきた。隣に寝転んだと思えば、布団をガバっと被せてくるから顔まで埋もれてしまう。
首の下に佑成さんの腕が回り、簡単に肩を抱き寄せられる。布団から目を出せば、佑成さんはあたしの目元にかかる髪の毛を指先で払いながら「なに?」と。
「……服着ないんですか?」
「どうせこの後風呂入るだろ」
「……さっき入ったばっかりです」
「明日の朝入る時間あんの?朝から授業だろ」
「……でも、恥ずかしいです」
布団から出ている佑成さんの胸元。行為中、目を瞑っていることが多く、じっくり見ることはなかった。肌色の面積が広いのはやっぱり心臓に悪い。
布団の中に潜って行こうとすると、佑成さんの右手が不意に横腹を撫でてきて「ひゃっ」とあられもない声が溢れた。
「逃げんなよ」
「……」
困って眉を八の字にしようが、佑成さんはあたしを自由にはしてくれない。脇腹に添えられたままの手がグっとあたしを引き寄せる。
隠れるのをやめて、おとなしく布団から顔を出した。
「……佑成さん、シた後はすぐに服を着て寝る人だと思ってました」
「……なぜ」
「……ネカフェのとき、そうだったので。寝てはいませんでしたけど」
「時間もあったし、あんなとこでいつまでも裸でいられるわけねーだろ」
「……それはそうなんですが、男の人はそういうもんだろうって思ってたので」
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