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ロイとレグルを先にお風呂に行かせ,
チサたち3人が晩ごはんを作り出した。
鱒と青菜を使ったミルクスープに,鱒のムニエル,買い置きしたパンを温める。
ジークが帰り際,野鳥を4羽捕まえてくれたので,羽根や胃の内容物を取り去ってから洗い,野菜や薬草を詰め込んだオーブン焼きを作ってくれた。
残った骨は,砕いて残った野菜と一緒に『だし』が作れる。すぐに食べない残りの野鳥は,処理した後に凍嶺石のある石蔵で凍らせておく。
毎日,新鮮なお肉も野菜も,食べられるとは限らない。幸い,うちにはスノウさんの尽力で氷の塊をいくつも保存できた。
塊を切り分けて保冷棚に入れておけば,1日くらいは平気で保てるからだ。
スノウも戻り,ライさんを初めとしたみんなが揃い,晩ごはんにありついた。
レグルは『旨~い』の連続で,これでもかと云わんばかりにガッツいている。
「お前はゆっくり食べられんのか!オレたちは傭兵では無いのだぞ」
「そうは言ってもさ,兄貴。食べられる時に食べておかないと,いつ食べられなくなるか分からないだろ!」
隣で微笑むチサは,
「ワタシがいる限り,レグルくんのご飯は毎日食べられますから。安心して食べてください。早食いは,消化に良くありませんよ!」
チサの言葉を聞いたレグル。
ガッツいていた手を止めた。チサの笑顔をまじまじと見て,レグルは食べる速度がゆっくりとなった。
食後のお茶を嗜むと,ライさんが週末に行うガイル猪掃討作戦に向けての話を出し始めた。
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