頂く ~命をありがとう~

1/6
25人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
 スマホが、小さく震える。  画面を覗くとラインアプリが、通知を伝えた。  めんどくさいな、今、ドラマが良いところなのに……。  そう思いながらベッドの上で身をよじり、隣のチェストの上にあるスマホに手を伸ばした。タップして開くと高校の頃の友達、天音からだった。    画面を開くと、  『今日、死のうと思っています』  はぁ。 もう、何年会っていないと思っているんだろう。 4年だよ!  久しぶりに連絡して来たと思ったら、ナニ、病んでんの? ウザッ!  だいたい、死にたいとか言っているヤツに限って、死んだりしないんだよ。  本当に死ぬ奴は、外に助けを求める力もないんだから……。  『連絡 ありがとう 』  嫌味を込めて送ってやった。  天音から返信が直ぐに帰って来た。  『もう、決めたから、慰め以外の言葉をかけて』  マジか……。  私は、少し考えてから返信をした。  『私が、死んでも天音の明日は変わらない。天音が死んでも私の明日は変わらない。暫く会っていない人の死なんて、そんなもの』  冷たいかもしれないけど、マジめんどくさいし、死ぬ気も無い癖にかまってちゃんに付き合うコッチの身にもなれ!  
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!