頂く ～命をありがとう～

　『他の言葉かけて』

　結構、ヒドイ事言った自覚はあった。
　なのにまだ送って来るなんて……。
　私は、天音の打たれ強さに驚きつつも興味が湧いてきた。

　『どんな死に方するの？』

　どんな返信があるか、楽しみにしていると天音から早速返信があった。

　『最終の急行電車に……』

　えっー、サイテー!
　これは、ゆるせない。

　『電車に飛び込みは良くないよ。みんなの迷惑になるじゃん』

　バイトで疲れて帰る時に飛び込みで電車が遅延した時のイライラを思い出した。それなのにその返信内容がコレだった。

　『みんなの迷惑なんて関係ないし』

　ハァ⁉　私はイライラMAXで天音に返した。

　『電車に轢かれた人の事、見た事ないでしょう？　あれは人の亡くなり方じゃないよ！』

　『なにそれ』

　『バラバラで洋服なんか電車に巻き込まれて脱げちゃってるし、死体なんてブロイラーみたいに千切れて、転がっちゃうんだからね』

　『ウソ！』

　『ウソじゃないよ。おまけにスマホで撮影されて、動画で閲覧注意でUPされて晒しモンだよ。絶対良くないよ』

　『そうだね。なんかヤバそう……』

　ヨシヨシ、諦めたか。

　と、思ったらもう一度スマホが着信を伝えた。

　『じゃ、リストカットする』