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「死ぬのって大変だし、怖くなってきた」
天音は、自分自身を抱きかかえる様に腕をクロスさせ身を震わせた。
「そうだよ。死ぬのって大変なんだよ。生きているから、美味しいケーキだって食べれるし、今が辛くてもそのうち良いことあるし、天音は健康なんだからそのうち恋人が出来たり、結婚したり、子供を産んだり出来るんだよ。私は、天音がうらやましい。私と交換して欲しいぐらいだよ」
最後の方は涙声になっていた。
「冴姫ちゃん、ごめんなさい。大変なのに私の話を聞いてくれてありがとう。私、産まれ変わったつもりで頑張ってみるよ」
「そうだよ。どうせ、死ぬ気なら産まれ変わったつもりで人の役に立つような事が出来るよ」
「ん……そう……だね」
天音は、会話の途中で、ドサリとその場に倒れた。
「天音? 大丈夫? 天音! お母さん、来て!」
ベッドの上で声上げ、母親を呼んだ。
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