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「お父さんお父さん」
中山園子は、父に飛びついた。
「こらこら」
幸せそうな父親の顔を、今でも園子は覚えている。
「お父さん、お父さんの喉なんかでてるよ」
園子は不思議そうに父の喉を指でなぞる。
「ははは、父さんの喉にはな、ホトケさんが住んでるんだ」
「ホトケさんてだあれ?」
「偉い人だよ」
「わあああ、ホトケさんホトケさん」
園子は嬉しそうに、父の喉仏を指でなぞり続けた。
この時に父が適当なことを言わなければ、園子はまだ・・・・・・
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