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その後
高校を卒業してから大学には行かずに就職した。
一人暮らしを初めて黙々と仕事をして生活していた。
時間が経つにつれて、忘れていくのかと思ったけれど、忘れる所か陽翔の事を思い出す度に心が締め付けられた。
私は、陽翔がいなくなってから好きだったんだと気づかされた……
最近は、陽翔に会いたくてたまらない。
新しく社会人になって仕事に打ち込んで自分の気持ちの事は考えないようにしていた。
同じ会社で彩美とも友達になって仕事帰りは飲みに行ったりもした。いつも、彩美の推しメンの話を聞く。
私は、あの事件から誰も信じられなくなって自分を偽って過ごしていた。
ずっと、私の事だけを見てくれていた……
陽翔に物凄く会いたい……
彩美と別れてほろ酔いになって気持ち良くなると、高い所でいつも夜景を見に行く。
ここからの高い眺めがとても気持ち良くて、そして、陽翔への気持ちが大きくなればここから陽翔の元へ飛んでいける……
もう、この世界からさよならしたい。
この世界を終わらせたい。
目を瞑り、一歩前に踏み出す……
両手を広げて、この世界に最後の挨拶をする。
『ありがとう』
この世界に気持ちを伝えてもう一歩踏み出す……
前に傾いたその時、手を引っ張られる感覚がしたけれど、もう落ちていってる。
目を開けると一緒に落ちている人がいる……
「どうして……?」
そのまま私は気を失う……
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