4人が本棚に入れています
本棚に追加
学生たちがおおよそ読み終わったのを見て、教授は窓際へと立ち上がった。
「換気しましょうか」
窓を開くと、風がふわりと薄いクリーム色のカーテンを動かした。
「これはただの怪異な伝説でしょうか」
カーテンがまたふわりと動いた。
「いつの世も、残酷な村人たちはいます」
教授は窓のそばで、学生たちに背を向けたまま続けた。
「だって、ほら」
「耳を澄ませて」
「今も」
学生たちは身じろぎした。
風に乗って、外からかすかに聞こえなかったか。
おおおおおおおおん。
最初のコメントを投稿しよう!