針を飲む

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 そんなある日、夏休み中暇を持て余した奴等が1人の友人の部屋に集まり酒を飲んでいた時の事。 突然母から俺の携帯に電話がかかってきた。 「もしもし、どうしたの?」 「うん、ちょっとね、札幌のお婆ちゃんなんだけど…今入院してて…なんかもうそんなに永くないみたいなの。 あんた、お世話になったんだから急で悪いんだけど顔出してきなよ。」 「えぇ!? もうそんな永くないって…なんでそんな急に…。」 「肺癌でね…見つかった時にはもう脳まで転移が進んでて、手遅れだったんだって。」 「そんな…。 うん…とりあえず分かった!行くよ! 病院と部屋の番号メールで送っておいて!」  札幌で祖父と暮らしている祖母。 毎年盆や正月には俺の実家に来て俺達兄弟を可愛がってくれた。 いつも笑顔で優しく、一緒にいると心から安心できる暖かい人だった。 俺の中ではまだ元気だった時の姿のままだったせいで、急にそんな事を言われても実感が湧かず戸惑いを隠せなかった。
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