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次の日早速飛行機を手配し羽田から千歳まで飛んだ。
千歳からは電車に乗り、札幌駅で地下鉄に乗り換えて病院に向かった。
札幌はこの日例年にない猛暑日で、茨城から帰ってきたというのにまるでそれを感じさせないくらいだった。
母にメールで送ってもらった病室に行くとそこには、同じく札幌で暮らしている伯母が先に見舞いに来ていた。
「あっ、どうも、お久しぶりです。」
「あんた、正人ちゃんかい?
あら〜、大きくなって〜。
…ちょっと、いいかい?」
少し目配せすると伯母は俺を病室から連れ出した。
「話はどこまで聞いてるんだい?」
「肺癌でもうそんなに永くないっていう事だけですけど、他にも何かあるんですか?」
「うん…ちょっと言い辛いんだけどね、札幌のお爺ちゃん、お婆ちゃんが入院してから毎日一生懸命様子見に来て世話してたんだけどね、そのせいか過労で倒れちゃって…倒れた拍子に頭をぶつけて打ちどころが悪かったのかそのまま亡くなっちゃったんだよ。」
「えっ!?そんなっ…!!」
「それで、お婆ちゃんはその事知らないから、まさか自分のせいでお爺ちゃんが亡くなったなんて知ったらショック受けるだろうし、皆でこのまま黙っていた方がいいんじゃないかって。」
「…はい、分かりました。」
「うん…悪いけどよろしく頼むよ。」
正直、俺の頭の中は混乱していた。
祖母だけでなく、祖父までも既に他界していただなんて…。
気持ちの整理をする暇もなくそのまま祖母と対面する事になった。
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