自分を飾る嘘

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自分を飾る嘘

落ち度を認め、謝った相手は、過ちを繰り返さない そう信じ、よりを戻したのに…。 「好きだ」と言った相手は、自分を裏切らない そう信じ、心を開いたのに…。 和かな笑みを浮かべ、優しい言葉を連ねる相手は、嘘をつかない そう信じ、接近したのに…。 自分は、必要とされていて、代わりがいない そう信じ、報われなくても、頑張っているのに…。 自分は、周りから愛されていて、敵がいない そう信じ、睨まれても、笑って過ごしているのに…。 自分は、才能があり、肩を並べる者がいない そう信じ、否定されても、めげずに闘い続けているのに…。 自分は、風邪ぐらいで倒れるほど、弱くはない そう信じ、寝込まずに、やっているのに…。 自分は、突き落とされ、壊れてしまうほど、脆くはない そう信じ、希望を捨てずに、生きているのに…。 自分は、見放され、捨てられるほど、惨めではない そう信じ、孤独を和らげているのに…。 自分は、自分のことを、誰より知っている そう信じ、突き刺さる数々の言葉に負けずに、気張っているのに…。 自分は、正しい考えを持った良識者である そう信じ、胸を張って、自分の道を突き進んでいるのに…。 自分は、他人を傷つけない、裏切らない善の存在である そう信じ、上を向いて、人生を歩んでいるのに…。 自分につく嘘ほど、綺麗で、切なくて、人間らしいものはない
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