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「スバルさん。あの、する前に、僕を縛ってくれませんか」
「渉でいいって言ってるでしょ」
革張りのソファに太一を押し倒しながら、スバルさんは困ったように笑った。脱がせた太一のシャツで、頭上にあげられた両腕をきつく縛る。太一は、動きを封じられてようやく安心した。むき出しの肌を、スバルさんの手がゆっくりと滑っていく。触れられた場所から、鳥肌が立っていった。
「若い肌だね」
楽しげに見下ろしながら、スバルさんはネクタイを緩める。ぞくりとした。黒いワイシャツの下から、浅黒く、引き締まった肌が露わになった。
「スバ、ル、さ・・・」
「渉って呼んでよ。じゃないと、何もしてあげないよ」
太一の前髪をかきあげ、スバルさんがおでこにキスをする。のしかかられ、互いの肌が合わさった。体の全てが発情していた。
「あ・・・渉」
「ん。いい子」
ゆるく開かれた唇を、スバルさんの舌が割って入ってきた。太一の舌が絡めとられ、裏側を舐められる。唾液が混じり、頭がぼうっとしていった。気持ちがよくて、腰が動く。スバルさんのざらついた舌が、煽るように上顎を刺激した。吐息が漏れる。すぐに唇がぴったりとふさがれ、食むように何度も吸いつかれた。
太一の下半身に、スバルさんの腕が伸びる。チャックを下ろされ、下着の内側に手が滑り込んできた。盛り上がった尻を両手で揉まれる。はじめは優しかった手つきが、だんだんと余裕をなくしていった。スバルさんの硬くなったものが、太一のものに擦り付けられる。下着がずらされ、体の全てがスバルさんの視線に晒された。反り上がるように勃起したそれは、先走りでトロトロになっていた。
スバルさんが唇を舐めた。そのまま太一の両足の間に顔を埋める。厚みのある舌が竿に押し当てられ、先端までをゆっくり舐め上げた。
「ん、ぁあっ」
こらえきれない嬌声が、喉の奥から漏れ出た。スバルさんの舌はキャンディでも味わうように、何度も竿を滑っていく。太一のものを咥え、唇をすぼめると、そのままピストンを始めた。ゾクゾクっと這い上がってくる快感に、尻の奥が疼く。スバルさんの太い指が、誘うようにヒクついた太一の後ろに差し込まれた。内側が押し広げられていく。
「おいしそうにパクパクしてる。でも、これじゃ物足りないみたいだ」
指がもう一本入ってきた。
「中もすごく綺麗だね」
入り口を広げるように指が左右に開かれ、その間にぬるりと舌が入ってくる。なめらかな動き。思わず悲鳴をあげた。理性がぐずぐずに溶けていく。快感に耐えられず、太ももでスバルさんの頭を強く挟み込んだ。
コンコン
反射的に体が固まる。休憩室のドアがノックされた音。ばくばくと心臓が暴れる。どうしようとスバルさんを見ると、ニヤッと笑って、
「どうぞ」
・・・え?入れるの?
ドアが開くと、外に立っていたのは先ほど歓声を浴びていたモデルの男だった。
男は赤い着物のようなローブを羽織っていて、その下は先ほどの下着一枚を身につけているだけだった。美しい顔を歪め、大きなため息をつく。
「あのさあ、隣まで聞こえてんだけど。連れ込むなとは言わねえから、もっと静かにやっててくんない」
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