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「ずっと年下のお前が見え見えの嘘まで吐いて同情したくなるほど、今の俺はどうしようもないダメな男だと思われてるのか？」
その台詞はさすがに刺さったらしく、舞が今日初めて目に見えて狼狽えた。
「ちが、わたしは、そんな……」
そして、とうとう観念したように口を開く。
「彰人さんに嫌いなんて言えない。……嘘でも、言えない」
俯いてぽつりぽつりと呟く彼女を愛おしむ感情が、全身から溢れそうになる。
お前の考えてることくらい、俺にはわかるんだよ。
そもそも、本当に嫌々付き合ってたんなら。
離れられてせいせいしてると言うのなら、こんな遠くまで会いに来る理由なんてないんじゃないのか？
好きでもない男の顔なんて見に来なくても、一方的に別れを突き付ける手段なんていくらでもある。
メールでも、通信アプリでも、古風に手紙だって。
もし直接罵詈雑言でも浴びせてやらなきゃ気が済まないっていうんなら、それこそ電話で十分事足りるだろう。好き放題に捲し立てて、満足したら通話ボタンをオフにすればいい。
逆上した相手に、……つまり俺に、危害を加えられる恐れもないしな。
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