Liar~ライアー~

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 俺の言葉に動揺は伺えないものの、口を噤んでしまった彼女に。 「なぁ、舞。……お前にそういうのは無理だ」  なんでいきなりそんなこと言い出したんだよ。  会いたいときにすぐ会えなかったら意味ないとか、傍にいてくれない俺なんかもうどうでもいいとか。  離れたら自然消滅してしまうような、その程度の関係だったのか? だから、そうなる前に自分から切ってやろうとでも?  ──違うだろう。  それが俺のためだと思ったんだよな? 俺が心機一転、ひとりでゼロから出直せるように。お前は本当は優しい子だから。  でもな。 「俺を、見くびるな」  今までの何もかもを振り捨てなきゃ、こっちでやって行けないなんて思われるのは心外だ。恋人が気になって、負担になって力を発揮できないなんて、俺はそこまで弱くない。  こう見えても十年以上、専門分野については紛れもなく第一線で戦ってきたと自負してるプロフェッショナルだ。
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