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「愚かな。人間は愚かなゆえ愚か」
そう言って黒タイツの一人が抗議をした中年の頬を殴り付けた。
「ぐがっ!」
地面を二転三転し、痙攣したまま起き上がれない。悲鳴が上がる。ワンパンである。
「こんな感じで世界を征服していくので皆さん、逆らわないでくださいね」
拡声器が響いた。
こんな調子で世界征服だと百年以上かかりそうだけど………
雛はさっさと逃げようとした。早く離れて警察に通報を。
「なにやってんだお前ら!」
誰かがすでに通報したのだろうか、警官の二人組が駆けよって来た。
「君たちは警察だな。この国の国家権力と聞く。即ち見せしめに始末するのも一興」
デストロイ総統はニヤリと笑って警官の前に進み出た。
「なんなんだお前ら! 朝っぱらから!」
雛は警察を背後で応援しながら、やっちゃってくださいと心で呟く。
「私はデストロイ総統。地球を征服しに来た」
「あのな!? 危ない薬でもやってんのか!」
「ふふ、昨日は目が疲れて目薬なら使ったが」
警官は顔を見合わせた。
「とりあえず全員集めてそこを動くなよ!」
「まだわかっていないようだな」
デストロイ総統は警官の一人をビンタをした、と思ったら。警官は真横に飛ばされながらもんどりを打ち地面に突っ伏し起き上がらなかった。
えええ!?
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