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「あの写メ撮らせてください」
「え?」
女の子がそう頼んでくるとシルバーウィングマンは、とたんに元気になった。
「サインいいですか?」
「あの握手を………」
「いやあの……順番に並んでください」
マスクで表情はわからないが、内心ニヤニヤしているだろう。
「……こんなヒーロー降板しなさい」
雛はボソッと呟いた。
しかし、これからどうしよう。デストロイ総統の破壊活動の跡、本当に宇宙人かわからないがこれは本当。
警察なりなんなり来るんじゃないだろうか。
「あのーお美しいお嬢さん」
シルバーウィングマンは人だかりを片手で静止し、雛に見る。
「いつの時代の言い回しなわけ? わたしは雛。OL! 言っておくけどナンパは嫌い!」
「昨日のお嬢さんですよね? 雛さんですか。昨日は無事帰れました?」
「帰ってからうなされたわよ!」
シルバーウィングマンは腕を組み。
「若者の秩序崩壊が心配ですね」
「あんたがやり過ぎだから!」
たまらず叫ぶ。かわいそうにあの殴られた大学生。
「ねぇ、あのデストロイ総統って何者? 本当に宇宙人なの?」
「私にもよくわかりません。私はただこの力で戦えと言われ………」
「あんたも宇宙人なの?」
漫画ような人間離れした強さは本物だ。
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