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「すみませ~ん」
突然、声がかけられた。
「はい?」
見ると若い男二人だ。おしゃれカッコをしているが、雰囲気が軽そうだ。
「僕ら今日、バイトの給料入ったんですよ」
「それで、ちょっと美人なお姉さんと飲みたくて声かけたんですけど」
ははあ‥‥‥‥
「あなたたち学生?」
「大学生です。こう見えて結構いい大学通ってんすよ」
ナンパか。
自分も大学生の頃だったら、喜んで誘いに乗っただろうが、今じゃこんな若い人たちが子供に見える。
「若い女の子に声をかけたら?」
「美人なお姉さんと楽しく話したいッス」
軽い雰囲気だが、別に悪い子にも見えなかった。
けど、欲しいのは大人な彼氏なのよねー。
「お酒飲むの?」
「大学四年生で、飲んでも大丈夫な年ッス」
「その前から飲んでましたが」
そう言って自分たちで笑っている。
雛にもバカのような話をして、遊んでいたことはあったわけだが。
どうやって断ろうか。アナコンダと戦う動画が見たいわけであって、仕事の疲れもある。
部屋でワインとスーパーで売ってたチーズを合わせて、のんびりしたい。
「僕らも来年には就職だから、やっぱり大人なお姉さんとも飲んでみたいわけで」
そういう男と違う人を彼氏にしたい。会社入ってもしばらくの間は遊んでそーだなーと思い。
「あのね‥‥‥‥」
なるべく丁重に断らないと、言葉を探して悩んだ。
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