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その時であった。
「待ていっ!」
よく通る声が響いた。
思わずそちらを見る。
「は?」
唖然とした。立っていたのは赤いヒーロー物のようなマスクつけ、首から下は柄の入ったシャツとデニムのジーンズという姿をした不思議な人間だった。声からして男だろう。
雛と若い男たちは顔を見合せ。
「なに? あんたらの友達?」
「いや‥‥‥こんな友達いないッスね」
唖然とした。
「誰だよお前!?」
若い一人の男が聞く。
「私は正義と女の子の味方! シルバーウィングマンだ!」
「‥‥‥ただの女好きじゃね?」
「そんなことはない! 男だって助ける!」
雛は思った。うわーこんな男、絶対彼氏にしたくない。
シルバーウィングマンは握った拳を胸の前に構え、
「婦女子に暴言など言語同断! そのお嬢さんも嫌がってるじゃないか!」
高らかにいい放つ。
「そりゃこっちもしつこかったけど‥‥‥」
「貴様! 悪党ならば、ゲヘヘヘ姉ちゃんは全然嫌がってねぇぜ、ぐらい言わんか!」
「 言うわけきゃね-だろ!?」
雛は日本って病んでだなーとため息をつく。
「コスプレかよそれ?」
「本物だ! 私は本物のヒーロー! シルバーウィングマンだ! フィクションじゃないぞ!」
ナンパされるよりシルバーウィングと関わるのが嫌だ。
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