ファーストコンタクト

5/6
前へ
/26ページ
次へ
 その時であった。 「待ていっ!」  よく通る声が響いた。  思わずそちらを見る。 「は?」  唖然とした。立っていたのは赤いヒーロー物のようなマスクつけ、首から下は柄の入ったシャツとデニムのジーンズという姿をした不思議な人間だった。声からして男だろう。  雛と若い男たちは顔を見合せ。 「なに? あんたらの友達?」 「いや‥‥‥こんな友達いないッスね」  唖然とした。 「誰だよお前!?」  若い一人の男が聞く。 「私は正義と女の子の味方! シルバーウィングマンだ!」 「‥‥‥ただの女好きじゃね?」 「そんなことはない! 男だって助ける!」  雛は思った。うわーこんな男、絶対彼氏にしたくない。  シルバーウィングマンは握った拳を胸の前に構え、 「婦女子に暴言など言語同断! そのお嬢さんも嫌がってるじゃないか!」  高らかにいい放つ。 「そりゃこっちもしつこかったけど‥‥‥」 「貴様! 悪党ならば、ゲヘヘヘ姉ちゃんは全然嫌がってねぇぜ、ぐらい言わんか!」 「 言うわけきゃね-だろ!?」  雛は日本って病んでだなーとため息をつく。 「コスプレかよそれ?」 「本物だ! 私は本物のヒーロー! シルバーウィングマンだ! フィクションじゃないぞ!」  ナンパされるよりシルバーウィングと関わるのが嫌だ。
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加