あめだまが繋ぐ

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「おはよー」 「おはよ」 席替えしたにも関わらずまた隣になった彼に挨拶をする。 「…あのさ、ちょっと聞きたいことあるんだけど」 「ん?」 「……やっぱ帰りに聞くわ」 「…わかった」 なんだか真剣な顔をして言いづらそうにしている。その日は一日特に話すことなく終わった。 「……あのさ」 帰り道、沈黙が続く中いつ話が始まるのかと思っていたとき、彼が言葉を発した。 「お姉さんいるって言ってたじゃん?今何歳?」 「…亡くなった」 言いづらくて少し間が空いてしまった。 案の定驚いたような彼から目をそらす。 「じゃあ、そのお姉さんの名前は?」 「何でそんなこと聞くの?」 「…ちょっと」 変な感じ。今までそんなに聞いてきたこと無かったのに。 「冬華(とうか)。雨宮冬華」 「とうか、」 「それがどうかしたの?」 ぽつりと姉の名前を呟いて、俯く。 「…なぁ、お前の家行っていい?お線香あげたい」 「……わかった」 何でそんなことを言い出したのかわからないけれど、悲しそうに言う彼に頷くしか無かった。 「ただいま」 「おじゃまします」 「おかえりなさい。あら、お客さん?」 玄関に来て出迎えてくれた母。 彼が事情を言って母はリビングにあげた。 「…とうか、ちゃん」 呆然と立ち尽くす彼に母と顔を見合わせる。 静かに手を合わせた彼は、何を思っているのだろう。
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