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刹那の儚い光。
エッフェルに花火が上がった。
セイラは自転車を止めて、夜空を見上げていた。
「ロンリーでもロマンは求めるべきね。」
夜空には彩り豊かな花火が広がり、星の煌めきを掻き消す。
20代を迎えたセイラには夢があった。
素敵な人に出会って、素敵な日々を送ること。
沢山の花火が散りゆくのを自分の恋愛に重ねたセイラは、元恋人のことを思い出す。
どうやってレーヴにさよならを言えばいいの?
例えどんな場合でも惨めな反応をするのは嫌よ。
レーヴは私に説明すべきよ、もう少し分かりやすくね。
どうやってあなたにさよならを言えば良いのよ。
嫌よ、とても戸惑っているの。
さよならを決める覚悟なんて、最初から無かったんだもの。
よく分かっているわ、もう終わった恋にチャンスは無い事くらい。
例えあったとしても、それはほんの少しなのね。
レーヴ、どうか私にもう少しワケを教えて欲しいの。
例えどんな場合でもね。
嫌よ、あなたに涙でいっぱいの目を見られるのは。
そうね、ハンカチで目を隠せば良いのね。
そうすればもっと簡単に言えそうね「さよなら」を。
レーヴ、あなたは二人の幸せに終止符を打ったの。
でもね、ただ私は説明が欲しいだけなの。
私じゃダメだった理由を。
今私が言えることはたった一つ。
私を選んでくれてありがとう、新しい恋人とは末長く幸せになってね_______________
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