DRY

結婚して、私たちは前よりも少し広い家に住むことにした。私たちというのは彼と私ともちろんあいつも、である。
ちなみに、引っ越す時にヘアアイロンの焦げのせいで修理代が高くなったことは余談である。

あいつは相変わらず玄関の靴箱の上にいる。
リビングに置こうとしたが、玄関がいいと言ったのでそこにした。

そして、彼もサボテンにたくさん話しかけるようになった。
3人で暮らしているみたいで毎日が本当に幸せだった。何気ない日常の、全ての時間が心地いいと感じられた。

私は以前と変わらず同じ職場にいたが、しばらくして部署移動があった。社内結婚も大変である。

そして、ある日内線が私宛に来た。
「旦那さんが交通事故に遭いました…」