4人が本棚に入れています
本棚に追加
/20ページ
彼が死んでから1年と半年がたった。
私はまったく元気とは言えないし、
以前よりも痩せちゃったけど少しずつ彼の死から進もうと思えるようにはなっていた。
母さんはまだ居てもいいと言ったが、私は実家を出ることにした。ずっと甘えるわけにはいかない。
きっと、彼もそれを望んでいるはず。
私は彼と住んでいたマンションに戻った。
実に1年半ぶりだ。
時々母さんが掃除しに来てくれていたからある程度はきれいに保たれているはず。
私は少し緊張していた。
あいつが少し心配だったからだ。
彼が死んだ病院から帰ってきて、私はしばらく寝たきりだった。そして何も言わず、すぐに実家に帰ってしまったのである。
あいつの声はいつから聞いていないんだろう。
死んでいたらどうしよう…。
私は恐る恐るロックの番号を打ち込む。
最初のコメントを投稿しよう!