真理子さん

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「すみません」 店先で張り紙を指差しながら声をかけてきたスラリと背の高い女性。どこかのモデルさんか雑誌の編集か。やけにオシャレな姿はこの辺りじゃ珍しいと思った。 「パート、まだ募集してますか?」 パート?からかってるのか? 「あ、はい。とりあえず履歴書を持ってきてもらってもいいかな。一番簡単なのでいいから」 二駅先の新しい住宅街に住む彼女はウチの味が好きなのだという。 帰りに買って夕飯にするのに美味しい方がいいでしょう?そう言ってフフッと静かに笑った。 こんな美人がこんな古びた店でちゃんと働いてくれるのか?と不思議に思いながら採用した彼女はその翌週から週に3日ほど来てくれていて、もう6年になる。
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