3人が本棚に入れています
本棚に追加
まぁちゃんがいないとなると今日お昼の弁当は無理かな。
駅前でタクシーを捕まえるかバスに乗るか迷いながらふと店の心配をしていた。その時はまだ余裕があったのだと思う。
彼女の詰める弁当は本当に綺麗だ。
店に来ると彼女はエプロンの紐をキュッと締めながら、クルリとその日のおかずを眺め、スタスタと並びの八百屋へ行き彩りを仕入れてくる。
長く艶のある髪をボールペンを使って器用にまとめると、テキパキと手を動かし次々にカラフルで綺麗な弁当を作り上げる。
「まるで魔法みたいやね」
関西出身のミナちゃんがパチパチ写真を撮る。
「コレ見て作ったらカンペキやん?」
なぜだか同じにはならないのだけど、
何十枚にもなる写真は店の財産だ。
最初のコメントを投稿しよう!