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彼女を初めて見たのは大学の入学式の日。
桜に手を伸ばしてたたずむ姿に目を奪われた。
誰だろう?新入生かな?
周囲で女の子たちがキャッキャ言いながら自分たちと桜がいかにうまく収まるかに全力を傾けていたなかで、彼女は静かにたたずんでいた。
「サークル決めてますか〜?」
「ウチに入りませんか〜?」
半分はナンパが目的のサークルだが、幹部となった俺はせっせと勧誘のチラシを配っていた。
楽しいことをしたり、みんなを笑わせたりすることは好きだ。どうせウチにくるならナンパ以外のこともちゃんと楽しんで欲しい。
そうして月末、初めてのコンパ。
「かんぱーい!」
大勢の男女がワイワイ盛り上がるなか、端っこで静かに微笑む彼女がいた。
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