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それにしても
冴えない人生だった。
私の名前は「まさこ」、正しい子と書いて正子。
実直な父が男なら正男、女なら正子だ!
と名付けた。自分の名前から1字取ったのだという。
なのになぜか弟は大翔と書いてヒロト。
果たして佐藤正子はその地味で目立たない容姿と相まって実に静かに成長する。いつもクラス写真の一番後ろの隅っこにいるような、名前も思い出してもらえないような子供だ。
色白の顔は面長でヒョロっと背だけは高く、何をどうやっても曲がらない髪は伸ばすしか能がなかった。
柳の下のなにかみたいな…。
平安時代ならイケてたかも。
キツネの嫁入りの昔話の絵本は子供たちのお気に入りだ。ママが出てるから。時に子供は残酷だ。
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