正子

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実家を出て街の大学に進学した私は、語学で隣に座った梨紗と仲良くなった。 「彼氏探すならどこかサークルに入らなきゃね!」 彼氏?いいよ無理だよと断ったけれど、友達くらい必要でしょと梨紗に連れられ入ったのが夏はテニス冬はスノボといったありふれたサークルだった。 まさか、とはこういうことだ。 新歓で声をかけてくれた先輩と付き合うことになるとは。 いつ見ても元気で気配りのできる良い人だなぁと思っていたけれど、いつも誰かしら女の子と歩いているくらいモテる人だったから…。 人気者の彼と地味で目立たない彼女はしばらくいい話のネタになっていたと思う。 佐藤から鈴木 そんなベタな展開もあるものだ。 かくして私は鈴木正子になった。
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