星が絶え果て、星座が朽ちる。

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 すると、鷲尾さんが今度は私の方を見て、こう言ったの。 「で、君はさっき、真琴さんを幸せにしてくださいって言っとったよな。君はなぜ、こんな奴の幸せを願うんや? 幸せは自分で掴むもん、そうやろ? 『お星様に叶えてもらう』そんな生ぬるいもんちゃうねん」  鷲尾さんに睨みつけられて、私は動けなくなった。  でも、そんな私のことはお構いなしに、鷲尾さんは真琴さんの方へ向き直った。 「俺はもう⋯⋯こうしなきゃ幸せになれないんだよ」吐き捨てるようにそう言った鷲尾さんは、ポケットからきらりと光る物を抜いた。 「全てを知ってこれを見てしまった君にも、悪いけど死んでもらうよ」  鷲尾さんが持ってるのはサバイバルナイフだった。私は頭が真っ白になった。
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