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「うん!今日は普通に作ってくれたんだ」
「……だいたい、そうしてる」
「ふーん?」
「なんで、ちょっと残念そうなんだよ」
いやだってそうじゃん?
こんな普通なんて面白くない。
君だけは俺に「普通」を求めないで欲しい
「歩って自分のせいで俺が死にでもすりゃ、ずーっと引きずって生きてくれそうじゃん?もしくは耐えかねて自殺してくれそう。俺的にはどっちでもいいけど、これからの人生を俺の為に生きてくれてるみたいで、最高」
いっそ、そうならないかなーと本気で考えてしまう。
その時、歩がカチャっと音を立ててお茶碗の上に箸を置いた。
「まだ、眠い?機嫌悪いよ」
「…うん。ちょっと頭がぼーっとするかな」
「そう…」
あ、酷いな。
冷たい一言で片づけられてしまった。
「まだ寝てたら良かったのに…」
「ちょっと前に起きた時、歩がいなかった」
黙って帰ったのかと慌てて布団を跳ねのけると、少し離れた所でテレビを見ていた。
「いつまでも抱き枕にされてたら暑いんだってば」
「どうでもいいけど、食べ終わったら一緒に寝るぞ」
「……」
歩が心底嫌がっているのは分かっている、伝わっている。
けど 拒否なんて許すわけがない
「いま頷いてくれたら、痛いことはしないから」
「………する?」
何を?なんて惚けるつもりはない。
「しない」
「……わかった」
――――――――――
(君が隣にいなきゃ、うまく眠れない)
(ほんとうに死ねばいいのに)
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