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「舞子先生は、どっか出かけるの?」
ほぼ同じタイミングで休む予定の真弓先生が聞いてきた。
真弓先生は、希望で3月末から4月始めに休みを入れている。4月から新一年生担当なので、入学前オリエンテーションとか、入学式の打ち合わせとかでギリギリまで忙しくしていたのだ。一応休んでも大丈夫なように他の先生が代わってくれるんだけど、基本的に自分で把握していないと気が済まない真弓先生は、心置きなく休むために、ここまで引っ張っていた。
「うーん、どこも混んでいるし、おうちでゆっくりか、あと、実家に帰ったり、ですかね」
「まあ、舞子先生、結構インドアだもんね。最近は特に。前はそれなりに出掛けていたみたいだけど、ホント最近はおうちにいることが多いみたいだし。彼氏の影響?」
「……まあ、そうですね。私が行くより、来る方が多いので。あとは、家でのんびり、と」
「分かった! お正月のあの件で、主導権握ったのね? 前は彼氏に合わせてたんだ、もしかして」
「……そうですね。まあ、たまには外に行きたいって思いますけどね」
「そうよね。ランドとか、行きたいお年頃よね」
……尊流とランド……ううっ行きたい!
「そうですね。まあ、いずれは」
今は我慢の時! 尊流が卒業したら、晴れて解禁!
……でも、まだ1年もあるんだよね。先は長いなあ。
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