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ただのご挨拶のはずが、合理主義のお母さんの暴走で結納にまで発展し。
日帰りなのであまりゆっくりは出来なかったけれど、無事帰途についた。
こっちに戻ってから案内された、ルミさんおすすめの山のレストランは貸し切りで、周りの目を気にせず美味しいフレンチのコース料理をいただけた。
そして、夜も22時を回る頃、マンションに戻り。
私はバッグから紙包みを取り出した。
「はい、これ、お祝い。時間がなかったから、既製品だけど。使って」
帰り際、お母さんに手渡された紙包み。赤いリボンをほどいて開くと、中には2枚のランチョンマットが入っていた。シンプルな生成りの帆布で、使い勝手が良さそう。
その隅っこには。
「お母さんらしいな」
いつもの刺繍。
違うのは。
「あ、俺の名前もある」
MAIKO & TAKERU
二人の名前が刺繍してあった。
バリキャリで大忙しなのに、ホントこういうの、好きだよね。
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