涙色のハンカチ

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 週明け、教室に入ると何故か賑わっていたた。  どうやら、今週末にある学園祭の打ち上げをする話が盛り上がっているようだった。 「いいね、打ち上げ…」  小さく呟いた俺の本音。それを聞いたクラスの男子が物珍しそうな表情で俺を見て、次第に笑みを浮かべていった。  そして、クラス中に聞こえる声で「今回の打ち上げは優一も来るってよ!」ととんでもないことを言い出した。  クラス内はその言葉に盛り上がりを増し、俺は断る機会を失った。  家に帰り、珍しく家にいた父さんと母さんに俺は頭を下げた。  それは、クラスでの打ち上げに行きたい、というそれだけのことだった。けれど、二人は困った表情をしていた。  いつもなら俺はここで引き下がる。けれど今回はそうすることはない。何故なら、俺だってクラスの皆と今を楽しむ権利があるのだから。  母さんが渋々話し始めようとするのだが、その第一声が「ごめん…」だったため俺は我慢の限界を越えてしまった。 「ごめん。ごめん。ごめんごめんごめんってどんだけ謝るんだよ。もういいよ、無理なのは分かってっから。いちいち申し訳なさそうな顔すんなよ。目障りなんだよ!」  言い過ぎたことにすぐ気がついたがもう遅い。俺が話終えると父からの罵声が飛んできた。  正直、怒られても仕方の無いことを言った自覚はある。けれど、悪いのは本当に俺なのだろうか。  インターホン越しに怖い想いもさせられ、友達との遊びを断りいつしか、流行りに興味がないキャラを演じてきて、自分の本心を我慢している俺が本当に悪いのだろうか。  そんな訳無い。  俺は納得がいかずに家を飛び出した。
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