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「 ? ! 」
驚く香澄に
「うん。とりあえずコレが
終わったら説明するわ」
圭も優しく香澄を見て微笑んだ。
(お父さん・・・お母さんって)
思考停止の香澄にまだまだ
やって来る挨拶回り。
「死んだじぃちゃんの弟夫婦の家。
ちょいメンドーやで。ジイサン、
趣味で切り絵をしてるから
客が来ると“見せたがる”んや」
圭の説明通り、客間でなく
大伯父の部屋に通されて
「この丸切り用の小刀が・・・」
「もうそれくらいにしないと
若い人に嫌われるわよ」
奥さん・大伯母が止めるまで
香澄に何枚も切り絵自慢。
なんとか玄関までこぎ着けて
「最後は鈴ちゃんの家だから
夕飯までゆっくりしなさい。
私は先に帰ってご飯の用意を
してるから」
佳乃は鈴子の母親に
手で合図だけして
三軒向こうの自宅へ戻った。
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