69人が本棚に入れています
本棚に追加
/44ページ
鈴子の部屋で3人になると
「さっき、圭のお母さんが
言ってた『菓子折を用意したのが
お母さんとお父さん』って
どういうことなの?圭」
香澄は尋ねた。
「まあ、コーラでも飲んでや」
鈴子がひょいと庭に出て
井戸端のタライで冷やしてあった
ペットボトルを持ってきた。
「香澄ちゃん、先週熊谷の実家で
夜、“一揉め”したでしょ?」
「?!どうして、鈴子知ってるの?」
「“法務大臣の父”は焦っても
冷静に娘の話を反芻して
『H大学法学研究室に娘の友達、
結婚相手の従姉妹がいる』の
言葉から直ぐ様調べて私に
辿り着いた、それがなんと!
自分の面識のある生嶋教授の
研究室!べべ~~~ン!
帰りの車で探り当てたる教授の
自宅へぇぇ、べべ~ン
電話で救いをぉ追い縋るぅう」
「ハハハ、最近こいつ、バイトで
“娘義太夫”のちょい役を
明治座でしてたんや、ハハハ」
つい聞き入ってる場合でない香澄。
最初のコメントを投稿しよう!