あいさつ

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鈴子の部屋で3人になると 「さっき、圭のお母さんが  言ってた『菓子折を用意したのが  お母さんとお父さん』って  どういうことなの?圭」 香澄は尋ねた。 「まあ、コーラでも飲んでや」 鈴子がひょいと庭に出て 井戸端のタライで冷やしてあった ペットボトルを持ってきた。 「香澄ちゃん、先週熊谷の実家で  夜、“一揉め”したでしょ?」 「?!どうして、鈴子知ってるの?」 「“法務大臣の父”は焦っても  冷静に娘の話を反芻して  『H大学法学研究室に娘の友達、   結婚相手の従姉妹がいる』の  言葉から直ぐ様調べて私に  辿り着いた、それがなんと!  自分の面識のある生嶋教授の  研究室!べべ~~~ン!  帰りの車で探り当てたる教授の  自宅へぇぇ、べべ~ン  電話で救いをぉ追い縋るぅう」 「ハハハ、最近こいつ、バイトで  “娘義太夫”のちょい役を  明治座でしてたんや、ハハハ」 つい聞き入ってる場合でない香澄。      
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