二人三脚でふたたび…💛

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二人三脚でふたたび…💛

女課長の深意 謹慎四日目…。 同僚の女子職員であるB子からラインでのやり取り後、トシヤのケータイに電話がかかってきた。 「…ああ、B子ちゃん、わざわざ連絡すまないね」 「いえいえ…。で、どうですか、謹慎生活は?」 「最初は地獄だったな。で…、今はリフレッシュ目的に過ごせてるわ」 「そうですか。じゃあ、明日が最終日ですので、英気を養ってくださいね。…ええと、用件なんですけど、明後日は30分早めに出社して欲しいとのことです」 「中原課長からかい?」 「そうです。風間さんが不在の間の打合せがあるようです」 「わかった。他には?」 「…これは社内的に知れ回ってることなので、風間さんには伝えておきますね。北九州の支社長、左遷になるようです」 「えー!それ…、ホント?」 *** 「間違いないようですよ。従前から不透明な使途の経費計上とかって、ウワサはあったじゃないですか?それの流れらしいです」 「ふう‥。でも急だなあ。先週、オレが北九州の支社に出向いてた時はそんな空気感じられなかったから…」 「あの…、どうやら風間さんが北九州支社でひと悶着起こしたそれを、突破口にしたって…。そんな説が本社ではもっぱらですよ。総務の同期の子の話では、その論調は意図的に流してるって…」 「ちょっと、それはどう言いことだよ?」 「私もよくわかりませんが、事業統括部の総合職の後輩が言うには、風間さんを即謹慎処分にしたのは、その後に尾を引くことを本社レベルで防ぐ方針だったからだろうって。中原課長もそこを了解した上で、風間さんへはああいう対応だったんじゃないかって…」 ”参った!…そうなると、レジェンヌPTをそのまま存続させることを前提に、オレの粗相は兼ねてから首を据え替えたかった北九州のトップを切るには絶好の機とみたのか…!まあ、あの支社長は何かと粗雑だって評判で、支社の風紀はこのオレが言うのも何だが、一番緩んで見えたよ。しかしそうなると…、中原課長はオレのこと、むしろ…” その後、トシヤはB子から、自分の抜けたPTの様子も確認した。 「事実上、課長が仕切って、支社周りは一回もなかったです。なんか九州の件も考慮してかも知れませんが、風間さんが戻ってくるまで、主だった動きは控えていたように私たちには見えました。ヤマダ補佐も全然普通です。たぶん明後日からも、風間さんへの風当たりがどうのってことはないと思いますけどね…」 ”ヤマダ補佐は、今B子が言った、九州のトップ左遷を見越した上でのオレの処分だってことに気づいてるんだろう。支社新体制下でレジェンヌのプロジェクトがつつがなく継続されることを望んでる、本社上層部の意思を感じ取っているんだ” *** 「…じゃあ、課長に今の言葉、風間さんからだって伝えますよ」 「ああ、頼む。今日はサンキュウな」 B子との電話は30分近かった。 トシヤは最後に中原アキへも伝言を託した。 ”中原課長、謹慎期間中で目の曇りをとることができました。ふたつほど‥” それは、自分の中原アキへの向き合う目線、そしてもう一つはレジェンヌPTの担当社員を離れた、レジェンヌモニターキャンペーンに対する視点という意味あいだった。 そして、その言わんとすることは、他ならぬ中原アキなら読み切ってくれると彼は確信していた…。
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