第1章 女上司はタラコ唇~~💖

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あきらめない部下 ”確かによかった…。この人のカラダは予想以上に…。しかし、心は委ねていなかったな。ハメあってる最中も、この人は女上司のプライドをかなぐり捨てることはなかった…。それで、これっきりって…。オレ的な到達点へは辿ってないってことだよ!” 「‥あなた、今夜一回限りって言ったわ。言ったわよね?」 「ええ、まあ、そんなことは…」 「男ならこういうことはしっかりと答えなさいよ!」 ”カーッ…、絶頂に達して1分かそこらでここまで詰問かよ…。ベッドの中で素っ裸のまま、この言質とりとは…。さすが、この年で激戦部署の女性トップロードを邁進してきた人だけあるわ…” とは言え…、この風間トシヤもここで単に”はい、わかりました”で終わる感性の持ち主ではなかった…。 *** 「どうです、”中原課長”…、一緒にシャワー浴びませんか。”この続き”は、その後…」 「この場で猫だましみたいな誘導には乗らないわ。今一度言うわよ、約束は守って。いいわね!」 「…課長、じゃあオレ一人で寂しくシャワー浴びてきますよ。それから答える。そのくらい、許容してくださいよ。昼間みたいに制服は纏ってないんですから…。もっとも、そのすっぽんぽんボディのまま役職プレートを首かけて今一度その言葉なら、シャワーの前に答えますが…」 「…わかったわ。お一人でシャワーどうぞ」 トシヤは若干のニヤケ顔のまま浴室へ向かった。 *** ”さて‥、どうするか‥” 彼は目をつぶり、頭からシャワーの湯を浴びながら思案にふけった。 無論、それは中原アキとどうしたら、再度エッチできるかの一点に絞られていた。 そもそも、職場の上司と一晩を共にする同意を取りつけた際、彼女には今晩一度限りという条件を飲む約束をしていたのだ。 それはきっぱりと…。 すなわち、再エッチイコール、アキに約束の反故を承諾させられるかどうかとなる。 ”確かに課長は、今晩一夜ならと最初から譲らなかった。だが、逆に言えば一回だったら年下の部下と寝ることに同意した訳だが、それは何故だ…。同じ商品開発推進室第二課のKとかSだったらどうだ?…ふふ、そうさ…。中原アキは、オレだから体を許したんだ…(薄笑)” この視点に至り、トシヤは一気に突破口を得た…。 ”よし、これで行ってやる!勝算我にありだ…。ふふふ‥” *** 彼の脳裏には、数時間前、酒宴での新商品マーケッティングをテーマにした懇親会がフィードバックされていた。 「…この度、我が商品開発推二の上程した新リップ”ルジェンネ”は、本社から初期マーケティングオペのプレゼン添付を条件に、我が社のニューマーク内示が下りたわ」 ”パチパチパチ‥” 「…ここで皆には、私の正直な気持ちを言うわ。…ルジェンネが正式に通れば、私は”次の階段”を上れる…。そこには、会社の方針も決定する際の発言権も具備されてる…。私はその場に至って、フルに自己を捧げたいと思っている。…今日は、ガチンコでいいわ。ルジェンネをスマッシュヒットさせるプランを皆で練って出してぶつけ合って…」 ”彼女からはある種、背水の陣を敷いた悲壮感が漂っていたよ。それを、スタンドプレーと見るか否かは個人の自由だ。だが、オレは思った。…なんて絢のある発信のできる女戦士だろうと…。だが、他の連中はそうは見れてないんだろうよ…” 「…以上、やはりルジェンネの”売りこみ”は万が一の際を見越し、中原課長がルジェンネと”心中”しない余地を残す…。そこで、私の立場では堅実にアピール手当ては七割程度でリターンし、その中で無難な戦略を効率よく組み立てしたらどうかと思います」 「…ヤマダ補佐、ありがとう。ええと、端的に行きましょうか。今の補佐の提案に賛成乃至は頭から反対はしないと言う意見の人、挙手してくれるかな?」 ”ハイ!”    ”私も…” アキとヤマダを除いて、同セクション7人のうち、6人が挙手した。 それは、まばらながらではあったが、…。 そして、手を下げ切ったただ一人が風間トシヤだった…。
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