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ハダカで二人三極
「これでいい…?」
リビングの壁に下げられている鏡に向かって、レジェンヌを唇に数度の上塗り重ねたアキは、振り返って、そのたらこ唇の上下をゆっくり開け閉めしながらトシヤに諮った。
「ええ!美しい…。じゃあ、オレのカラダを上から下まで、そのエロエロの厚手唇で撫で上げてもらいましょう‥」
「うん…」
女上司は俯き加減でそう呟くように答えた
”…半年前とは別人みたいだ。この人、男に尽くす内面を持ってるのかも…”
ベッドに座ったまま、衣服を脱いだトシヤの前に、アキはひざまずいた格好で、立った今、直属の部下からされた指示通りの行為に及んだ。
それは表現すれば、そのことに勤しむ健気さがにじみ出るような風景だった。
だが、この日のトシヤは明らかにサディスティックな態度をアキにぶつけていた。
***
「何するの!」
「軽く縛るんです」
「やめて!そこまではいやよ!」
ここでアキは眠りから覚めた赤ん坊のように、激しく騒ぎ立て抵抗している。
だが、力ではどうにもトシヤにかなわず、結局わずかの間に両手は万歳した格好をさせられて、その帯のようなものでベッドのパイプに拘束された。
「やめてー!」
アキは足をばたつかせながら絶叫した。
だが、その両足の上にはトシヤの下半身がどっかと乗っかり、アキはほぼ動きがとれない…。
「あんた!覚悟が足りないんだよ!」
「風間君…、ここまでは覚悟なんかしてないわよ!」
「泣いたってダメだ!こっちは毎日アンタのカラダが頭から離れなくて悶々地獄だったんだ。このくらい、なんだってんだよ!!」
ベッド上で二人は怒鳴り合いながら、睨めっこだった。
しかし、双方とも、両目からは涙があふれ出ていた…。
「わー!」
トシヤはその情念を興奮しきった我が体に一任し、眼下にある愛しの彼女へと突入する…。
***
「課長~~💖」
トシヤは両手でふくよかなアキの両胸を上からわしづかみにして、その絶叫とともに果てた…。
彼のドロついた精子はアキのぶ厚い上下の唇にポトリと落ちた。
いや‥、トシヤの精子はアキが受け止めたと言った方が正確だろう…。
そのあと、トシヤは手でその白いネバネバをアキの唇に塗りつけた。
丁寧に、念入りに…。
***
コトを達したトシヤは”元”の自分に戻り、アキの両手を解放した。
そして、両手でその縛った手首のあたりを手の平で優しくさすっていた。
「少し乱暴すぎました。すみません…」
「ううん…。こんなにも自分を脱ぎ棄てたことなんてなかったから…。ここまでやってもらって、かえって嬉しかったよ」
二人は裸のまま、しばしベッドで横たわり、体を寄せうのだった…。
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