小松とジー

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小松とジー

僕たちは、人間界との境目まで降りてきて、久三(きゅうぞう)を観察している。 「久三、動かないね。」 僕が言うと、ジーがこちらを見下ろす。 「三加(みか)さんが動かないからでしょう?」 「なんで三加は動かないの?」 「操作パネルに怒っているからでしょうね。」 僕はため息をつく。 「ジー、手伝ってあげてよ。」 「久三は私の手を煩わせたと言って、落ち込むと思います。」 あー・・・確かに。 「久三、真面目すぎるんだよ。」 「だからこそ、今に至るのです。」 「まぁ、そーなんだけどさー。」 僕は雲に腹這いに寝そべり、足をパタパタとさせる。
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