風呂と指令

三加と久三

嘘つき。

壁にある操作パネルを睨む。

「お風呂が沸きました。」

って言ったよね。言ったでしょ？
だから私は、いそいそと裸になって、お気に入りの入浴剤持って、浴室に入ったよ。

沸いてないじゃん！

寒いよ。真冬だよ。凍えるよ。
ガッカリな心が、更に体温下げるよ。

途端にもよおして、裸でトイレ行ってさぁ。全裸で用を足すことが、こんなに情けない気持ちになるって、31才にして初めて知ったよ。

でさ、その全裸にタオルだけ巻いて、操作パネルに不満の念を送ってるのも、相当情けない気持ちなわけ。

どーするよ、操作パネル君。もう無理？お風呂、沸かせない？

頑張ってよー・・・。