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男はため息まじりに肩を竦める。
「ほんと、何言ってんの? お前はどっからどう見ても空羅だろうが」
「はあ!? あなたこそ何を言って……」
男は未だローチェストの上にあるスマートフォンを手にした、と、すぐさまシャッター音が響く。
「──な!?」
インカメラでなければ確実に紗栄子を撮った角度だ、今更ながら上掛けを引っ張り体を隠す。
「この上、辱めを……!」
まさしく世に言うリベンジポルノというものかと思う、今の写真をネタに今後も関係を続けろと──。
「ほい」
男はすぐに画面を紗栄子に向けた。見たくもないと思いつつそれを見る、小さな画面の中、ベッドに座り強気な視線で見上げる全裸の女の子がいた。その姿勢は今まさに自分と同じだ。
「──え?」
慌ててそれを取り上げた。左上の矢印をタップすれば画面はカメラに切り替わる、画面に映ったのは自分の前に立つ男の足だった、それをインカメラに変えて自分を映す。
まさしく、つい先ほど見た少女が映し出された。
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