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「え、ちょ、何を……!」
「さっきは痛かったろ、ごめんな。今更ながら慰めてやろう」
「ん……っ、もういいから、判ったから、やめ……ひんっ」
敏感な尖りを優しく擦られ、出したくもない声が漏れる。
「──ほんと、変わったな……」
真治は耳元で囁く、空羅はじれったいような刺激は物足りないと激しさを催促する子だったのに、今は唇を噛み声を抑えながら、甘い刺激を耐えるように味わっているのが判る。
指に感じる湿り気が、滴り落ちてくるのに時間はかからなかった。
「──ふむ」
鏡越しに紗栄子の様子を見ていた、もっとも俯いていてよくは見えないが、直接では後頭部しか見えないその表情が紅潮し蕩けそうになっているのが判る。
(──たまらねえな)
両手を離すと、その手は紗栄子の骨盤を掴んだ。右手は濡れていて滑ってしまう、紗栄子の肌に指を食い込ませた。
「え……っ、ちょっと!」
察して紗栄子は声を上げる、身を捩ろうとしたが腰を持ち上げられ慌ててシンクの淵を掴み体を支えた。瞬間背後から股間に熱いものが押し当てられ焦る。
「こんの、性欲バカ!」
「はは、元気、いいなあ」
そんなところすら、真治が知る空羅とは大違いだった。大声を出すのを聞いたこともない。
「無理だから! 離して!」
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