【異国の空の下で】

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『恋愛相談です。私はソランと同じ小学5年生です。大好きな人がいます。近くのコンビニで働いてる大学生のお兄さんです。好きって言ったけど、全然相手にされません。今4年生だから卒業したらバイトも辞めてしまうと思います。もう会えなくなると思うと辛くて苦しいです。こんなに好きな気持ちは、どうしたら伝わりますか』 初めは笑顔で元気いっぱいに読んでいた空羅だが、だんだんトーンが落ちていく。空羅のことが重なり見ているのが辛くなった真治は画面を消そうとしたが、紗栄子が手を抑えてそれを止める。 『うん──判るよ、悲しいよね』 空羅が泣き出しそうな顔で言う、まさに空羅も体験した事だ。 『いっぱい、泣いたらいいと思う』 言い聞かせるような言葉だった、真治は目をそらす。 『相手はやっぱ自分じゃないもん、どう頑張っても相手の心を変えることは無理なんだよ。どんなに自分が好きでも、相手の心までは変えられない。頑張りすぎて、犬はハスキーさんがいっぱい傷つくのはやめよ? やっぱ駄目だなって思ったら潔く諦めて、いっぱいいっぱい泣いて、自分はもっといい女になって、もっといい男捕まえるんだって切り替えよ。自分は変えられる、努力できるから』
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