【目を開けるとそこには】

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「ああ、そう……っ、こんなのフィクションの世界ではよくあるじゃない、そう入れ替わるのよ、中身だけ、別の誰かと!」 「ん? ああ」 映画や小説などで度々取り上げられる題材だろう。 「私……っ! 私の体はどうなったの!? もしかしたらこの子と入れ替わったのかも!」 「ああ」 それにはぴんと来た。 「行かなきゃ……! ここ何処!?」 「横浜駅近くのマンション」 巨大なターミナル駅だ、群馬出身で都内在住の紗栄子でも大方の場所は判る。 「君は何処に住んでた?」 「大井町!」 電車ならば1本だ。 「──すぐに行こう」 なにが起こっているかも判らないなりに空羅の事が気になった、とにかく会いに行かねばと思う。
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