【本日も社畜なり】

4/5
478人が本棚に入れています
本棚に追加
/198ページ
* クリスマスに浮かれる人々を横目に、電車に乗って最寄り駅に着くと深夜12時に近かった。唯一開いているコンビニで夜食と朝食を買ってマンションに帰宅する。 「はあぁぁぁ、今日も疲れた~」 ワンルームのローテーブルにレジ袋を放り出し、すぐ脇のベッドに倒れ込む。 仕事も忙しいのも嫌いではない、それだけについついやりすぎているのは自覚がある。 それで恋人にも逃げられたのは、もう6年も前の事だ。結婚も視野に入れていた相手だが、仕事が楽しかったからそれほど気にはならなかった。 その後社内で恋人はできた、仕事をぶりを知っている相手ならば大丈夫だろうと思ったが、結局相手が浮気していたのが判って別れたのが3年前。以来仕事が恋人と言い訳しているが、今年30歳になった身の上に親の嫌味は尽きない。 「はあ……とりあえず、お弁当食べて、風呂入ってぇ……」 思うが体は動かない、全身が鉛になったようだ。睡眠が3時間程度の日が続いているせいだろうか。 とりあえず今週も頑張ったと自らを褒める、土日はゆっくり休み月曜日からまた怒涛の業務を処理しなくてはならない。あと二日の辛抱だ、乗り越えれば実家に戻ってゆっくりするつもりだ。
/198ページ

最初のコメントを投稿しよう!