冬に鳴く蝉

【本日も社畜なり】

「うーせめてお風呂～」

思うが体はベッドに沈んでしまいそうな感覚だ。

眠るならば、買ってきたものを冷蔵庫にしまってから……真冬とは言え出しっぱなしとは行かないだろう、朝用にはパンを買ったが、夕飯にはそぼろ弁当を買ってしまった。生ものが乗っていないものならいいかもしれないが、デザートにと買ったロールケーキはやはり冷蔵庫へ入れたい。

しかし、体を動かすのが億劫だった。
テーブルの上にある白いレジ袋を見た。自分に超能力があればいいのにと真剣に思ってしまう、念じるだけでそれがふわふわと浮いて冷蔵庫に入ってくれたら、どれだけ楽だろうか。

そんな仕方ないことを思いながら、意識が遠のいていく、まぶたはしっかりと閉じられてしまった。